1.雪による死者は年間100人以上になる年もある、という現実

 雪による被害について、国土交通省の資料をもとに説明します

豪雪地帯について

豪雪地帯は国土の51%を占め約2000万人が居住しており、濃い青の特別豪雪地帯においては除雪作業に大変苦労しております

雪害による死者について

直近10年間の雪害による死者数は100人以上亡くなっている年もあり、約8割以上が屋根の雪下ろしで発生しております

災害別死者数

雪害による死者数は20年前282人でありましたが、近年は772人と約3倍になっており、風水害と同等になっております


雪下ろし作業は家族や家を守るために実施するものですが、そのような悲しい事故が起きることは避けなければいけません。そのために「ナイアガラ カット」を開発しました 

2.なぜロープで雪が切れるのか?⇒それは物質の「切断原理」に基づいているからです

①切断原理について

 切断原理について刃物の切れ味とトライポロジー※1を参考にすると、切り方には「押切」と「引切」があります

 押切とは文字どおり押し付けて切る方法であり、引切とは刃物を引きながら切る方法です

 本論文では押切より引切の方が1/6程度軽い力で切れ、切断速さも早くなるほど軽く切れることを確認しております

※1 2005年 千葉工業大学 金沢教授

切断原理を検証するため包丁による押切・引切・テグス切において、発泡スチロールを試験品として検証しました

①押切

手で押し付けても刃先が食い込まず体重をかけても食い込まなかった

②引切

引切するが側面との摩擦が大きいため1分40秒かかって切断できた

③テグス切

テグスで引くとすぐに食い込み、わずか15秒で切断できた


実際の試験方法は3分程度の動画にまとめてあります

テグスは荷重しながら横移動することで引切となり、面積も非常に小さいことから容易に切れました

鋭利な物でなければ物を切れないと思われますが、それよりも大事なのは「引切動作」ができるかが大切です。実際の例を以下に記載します。

①イモやニンジンを包丁で押し付けただけでは切れません。無意識的に引切り動作により切ってます

②刺身包丁が長いのはなぜでしょう? 長く滑らせることで軽い力で素材をつぶさず鋭利に切るためです

③逆に鋭利ではない紙で手を切ってしまうのはなぜでしょう? それは引切状態になった時に切れてます

 

以上のことからも、切断側の鋭利さだけではなく、切断動作である引切が重要ということが分かります。

3.試験実施

 切断時には荷重も重要であるため、雪落とし棒とロープの荷重を比較するため、北海道立総合研究機構 工業試験場にて荷重試験を実施しました

①雪落とし棒

②ロープ方式

試験者4人の試験結果

ロープの方が約2倍の荷重!


 試験の結果、ロープの方が約2倍荷重が大きいことが確認できました。

 この他、部材の選定や作業方法について30回以上の試験を繰り返し、最適な製品に仕上げました

4.従来品との原理比較

①雪落とし棒

従来方法は押切であり荷重も小さいため、積雪から数日経った締まり雪は切れない。また落雪が当たる危険も伴います。

②ナイアガラカット

ロープは中心へ向かって荷重しながら、横移動して引切となり体重をかけれるため締まり雪も切断可能です。また落雪にも当たりません。


以上のことから、ナイアガラカットは荷重も大きい上に引切動作であるため、雪落とし棒より切断力が高いことが分かります。そして落雪に当たらず安全です。

比較結果

以上のことからナイアガラ カットは「高く・楽に・安全」に雪庇を落とせます!